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← 読み物オルカン・S&P500・NASDAQ100・FANG+の比較:期間を変えると順位は逆転する
指数のランキングは、どの期間で計算したかによって結果が入れ替わります。同じ計算式のまま期間だけを変えた比較、中身の違い、下落と回復のデータをまとめました。
公開 つみとり運営事務局
積立先の比較記事や動画では、NASDAQ100・FANG+・半導体が上位に並ぶことが多くなっています。ただし、その順位は計算に使った期間に大きく左右されます。ここでは同じ計算方法のまま期間だけを変え、何が変わるのかを整理します。
2015年〜2026年と2000年〜2009年で、順位が入れ替わる
FANG+の指数がそろう2015年以降で比べると、成績は大きく開きます。
配当込み・ドル建て。FANG+と全世界は2000年代のデータがないため、下の期間には出てきません。
| 指数 | 2015年〜2026年 | 2000年〜2009年 |
|---|---|---|
| 半導体 | 24.91倍 | 0.30倍 |
| FANG+ | 18.31倍 | —(指数なし) |
| NASDAQ100 | 7.66倍 | 0.52倍 |
| S&P500 | 4.55倍 | 0.95倍 |
| 全世界 | 3.34倍 | — |
2000年〜2009年では、どの指数も元本を割っています。その中で損失が最も小さかったのはS&P500でした。ランキングは、計算した期間の相場環境をそのまま映したものにすぎません。
業種単位で見ても同じ傾向があります。米国の49業種を10年ごとに比べると、1位の業種が次の10年も1位だった例はありません。詳しくはなぜS&P500なのかで扱っています。
中身の広さが、値動きの大きさを決める
| 指数 | 構成銘柄数 | 組み入れ方 |
|---|---|---|
| 全世界(オルカン) | 約2,500社 | 時価総額に比例 |
| S&P500 | 約500社 | 時価総額に比例 |
| NASDAQ100 | 100社 | 時価総額に比例 |
| FANG+ | 10社 | 10社を均等に |
FANG+は10社を均等な比率で保有し、3か月ごとに比率を元に戻します。値上がりした銘柄を売り、値下がりした銘柄を買い増す仕組みのため、成長を続ける企業を途中で手放す場合もあります。インデックスという名前でも、性質は個別株10銘柄の組み合わせに近いものです。
構成銘柄が少ないほど、上昇局面の伸びも下落局面の落ち込みも大きくなります。
配当込み・ドル建て・月末の値。
−83%は、100万円が17万円になる水準です。
天井で買った場合の回復年数
2000年の天井で一括購入した場合、元の水準に戻るまでの期間は次のとおりです。
まとめて買った場合・配当込み。はじめて元の金額に戻った月までを数えています。
半導体の17.1年は、40歳で購入した人が57歳になるまで含み損が続くことを意味します。
なお、S&P500の回復を「13年」とする説明もあります。これは数え方の違いによるものです。初めて元の水準に戻るまでなら6.3年。2008年に再び下回ったため、それ以降一度も下回らなくなるまでで数えると11.2年(配当込み)になります。
積立なら結果は変わるが、途中の落ち込みは大きい
同じ2000年の天井から、毎月3万円を積み立てた場合です。
配当込み・ドル建て・2026年7月まで。「途中の最悪」は、それまでに入れたお金にくらべて、いちばん減っていたときの割合です。
最終的には、S&P500は約6倍、NASDAQ100は約12倍、半導体は約27倍になりました。下落中に同じ金額で多くの口数を買えたことが効いています。
一方、積立の途中では投入元本に対してS&P500が−31%、NASDAQ100が−53%、半導体が−54%まで落ち込んでいます。S&P500の場合、2009年2月には投入額330万円に対して評価額227万円でした。最終的な倍率は、この局面でも積立をやめなかった場合の数字です。
26年間で測ると、効率はS&P500が最も高い
2000年からの26年間で、年あたりの上昇率を値動きの大きさで割った「効率」を比べると次のとおりです。
| 指数 | 効率(26年間) |
|---|---|
| S&P500 | 0.56 |
| NASDAQ100 | 0.39 |
| 半導体 | 0.35 |
半導体は上昇率こそ最も高いものの、値動きが大きいため効率では最下位になります。ただし2015年以降の11年半で測ると、半導体1.17、S&P500 0.94と順位が逆転します。効率の比較も、期間の選び方からは逃れられません。
FANG+の過去の伸びが続かない理由
FANG+の10社は、すでに世界の株式時価総額の約2割を占めています(2026年時点)。過去11年半と同じ年29%の成長がさらに11年半続き、世界全体が年8%で成長すると仮定すると、10社の時価総額は世界全体の149%に達します。
部分が全体を超えることはないため、同じ成長率の再現は計算上成り立ちません。企業の質が高いことと、今後も同じ倍率で成長することは、分けて考える必要があります。
よくある疑問
Q. 結局、どの指数を選べばいいですか?
S&P500と全世界株の違いは、アメリカへの集中度という性格の違いです。どちらを選んでも問題ありません。NASDAQ100・FANG+・半導体は性格の違いではなく、業種や少数銘柄に集中する選択になります。
Q. ランキング記事はどう読めばいいですか?
計算に使った期間を最初に確認してください。期間が短いほど、その期間の相場環境がそのまま順位に出ます。
前提とデータ
- S&P500(SPY)、NASDAQ100(QQQ)、半導体(SMH)、FANG+(NYSE FANG+)、全世界(VT)の月次データ(配当込み・ドル建て)。2026年7月まで。
- 効率は、年あたりの上昇率を年あたりの値動きの大きさで割った値。
- 積立の結果は、計算の終点が2026年の高値圏であることに影響されています。終点が違えば数字も変わります。
- 過去の実績であり、将来の結果を約束するものではありません。