つみとり試す

このページには広告(PR)を含みます

← 読み物
決めたら変えないために

積立を何年続ければ元本を下回らなくなるか:150年のデータでは30年、2001年以降だけなら10年

「15年で元本割れしない」「20年なら安心」といった数字は、検証に使ったデータの期間によって大きく変わります。同じ計算で期間だけを変えた結果と、元本を下回ったときの対処をまとめました。

公開  つみとり運営事務局

積立投資について「何年続ければ元本割れしない」という数字は、15年、20年、10年とさまざまな説があります。いずれも過去のデータから算出されていますが、違いは主に検証に使ったデータの期間から生じています。

過去150年での、積立年数別の結果

S&P500に毎月一定額を積み立て、配当込み・物価上昇分を差し引いた実質値で、投入元本を下回ったかどうかを判定した結果です。

積立年数ごとの、元本を下回ったケースの割合

S&P500・配当込み・実質(物価の上がった分を差し引いて判定)。毎月同じ額。2001年からのデータは23年分しかないため、25年・30年は測れません。

積立年数 元本を下回ったケース
10年 11.4%
15年 9.2%
20年 4.5%
25年 0.9%
30年 0%

10年では約9ケースに1つが元本を下回っていますが、20年では4.5%、25年では0.9%まで下がります。30年では、どの時期に始めたケースでも元本を上回りました。最も成績が悪かったケースでも、投入元本の約1.1倍になっています。

使うデータの期間で、答えは20年変わる

計算方法はそのままに、使うデータを2001年以降に限ると結果は大きく変わります。上のグラフで「2001年からで測る」に切り替えると、10年・15年・20年のいずれも元本を下回ったケースは0%です。

データの開始年を変えた結果をまとめると、次のようになります。

データの期間 10年積立 20年積立
1871年〜(150年) 11.4% 4.5%
1926年〜 12.4% 4.2%
1950年〜(戦後) 15.6% —
1970年〜 — 0%
1990年〜 — 0%
2001年〜 0% 0%

新しいデータほど楽観的になる、という単純な関係ではありません。戦後に限ると、10年積立の結果は最も厳しくなります。期間を短く区切るほど、その期間にどんな相場が含まれていたかで結果が決まります。

結果を動かしているのは、期間中の暴落の回数

過去150年間に、S&P500が高値から3割以上下落した局面は8回あります(物価上昇分を差し引いた値)。世界恐慌、オイルショック、ITバブル崩壊からリーマンショックまでなどです。

一方、2010年以降の14年間には、3割以上の下落は一度も含まれていません。直近のデータだけで算出された成績が良く見えるのは、大きな暴落を経験していない期間の数字だからです。

「何年で元本割れしない」という数字を見たときは、次の2点を確認すると判断しやすくなります。

  1. 何年分のデータから算出されているか
  2. その期間に大きな暴落が何回含まれているか

元本を下回ったときの対処:続ければ全ケースで回復

積立10年目の時点で元本を下回っていたのは197パターンでした。そのまま積立を続けた場合の、元本回復までの期間は次のとおりです。

項目 元本回復までの期間
中央値 1.7年
最長 6.8年
回復した割合 100%

元本を下回っている時期に必要なのは、積立を続けることと、保有分を売却しないことです。負担が大きい場合は金額を下げても構いませんが、ゼロにすると回復までの期間が延びます。

よくある疑問

Q. 一括で投資した場合はどうなりますか?

同じ条件で比べると、一括投資では25年で元本を下回るケースがゼロになり、積立(30年)より早くなります。積立の最後に入れた資金は運用期間が短いためです。これは一括が有利という意味ではなく、資金が市場にある期間の長さが結果に影響するということです。

Q. 昔のデータは今の相場にも当てはまりますか?

月ごとの値動きの大きさ(年率換算)は、1871年からの50年間で11.6%、2001年以降で13%と、大きくは変わっていません。一方、配当利回りは5%台から2%未満へ下がり、株価の割高さを示すCAPEは15前後から26以上に上がっています。値動きの性質は近いものの、同じ利回りが続くとは限りません。

積立シミュレーターで、年数ごとの結果を見る

前提とデータ

  • Robert Shiller のS&P500データ(配当込み・1871年〜2024年の1,845か月)。物価上昇分を差し引いた実質値で判定。為替は含まず、ドル建て・米国の物価で計算。
  • 開始時期を1か月ずつずらして計算しているため、各期間は重なっています。重ならない期間は、10年で約15個、30年で約5個です。
  • 3割以上の下落の8回目は、ITバブル崩壊からリーマンショックまでを1回と数えています(実質値では2007年の高値が2000年の水準に届いていないため)。
  • 過去の実績であり、将来の結果を約束するものではありません。
あわせて読みたい記事
自分の数字で、何歳まで毎月いくら使えるか試す