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決めたら変えないために

積立が苦しいときの選択肢:半額に減らしても目標到達の遅れは10か月

学費や住宅費で積立が負担になったとき、「減らす」「一時停止する」「売却する」で結果はどう変わるのか。目標到達時期の遅れで比較しました。売却だけが目標そのものを失う選択でした。

公開  つみとり運営事務局

教育費や住宅費、親の介護など、積立を続けにくくなる時期は多くの家庭にあります。そのときに取れる選択肢は、主に「金額を減らす」「一時停止する」「売却する」の3つです。ここでは、それぞれが目標到達時期にどう影響するかを比較します。

比較の条件

S&P500に毎月3万円を積み立て、目標額を2,000万円とします。10年間続けた時点(投入元本360万円、評価額の中央値581万円)で家計が苦しくなったと仮定し、その後の対応ごとに2,000万円への到達時期を比べます。

目標額の2,000万円は一例です。老後に毎月不足する金額×300で、自分の目標額に置き換えられます。

減額:半額でも遅れは1年未満

10年目から毎月の積立を減らしたら、2,000万円に届くのが何か月おくれたか

S&P500・配当込み・名目値。毎月3万円を10年続けたあと積立額を変更した場合。1,484パターンの中央値。

10年目以降の積立額 目標到達の遅れ
2.5万円 2か月
2万円 6か月
1.5万円(半額) 10か月
1万円 1年4か月
0円(停止) 2年5か月

減額の幅と遅れの長さは比例的で、急に悪化する境目はありません。そして、いずれの減額でも、30年以内に目標に届かなかったケースはありませんでした。

減額による遅れを避けようとして生活費を過度に切り詰めると、積立そのものが続かなくなるおそれがあります。1年未満の遅れを避けるために家計を圧迫するより、金額を下げて続けるほうが現実的です。

一時停止:再開時期を決めることが重要

積立を止め、保有分は売らずに置いておいた場合です。

停止のしかた 目標到達の遅れ
3年停止して再開 7か月
5年停止して再開 約1年
10年停止して再開 約2年
停止したまま再開しない 2年5か月

積立を止めても、それまでに購入した分は運用が続くため、遅れは限定的です。ただし再開しなかった場合に限り、30年以内に目標に届かないケースが2%発生しました。減額ではゼロだった数字です。

教育費のように期間が決まっている支出なら、停止期間も事前に決められます。10年目から大学の4年間だけ半額にした場合の遅れは4か月、4年間停止しても9か月でした。

売却:目標到達の可能性がなくなる

積立の停止と、保有資産の売却は、結果がまったく異なります。

10年目の対応 結果
積立を止め、保有分はそのまま 約22年で2,000万円に到達
保有分を売却して現金化 531万円のまま増えず、到達したケースは1,484パターン中ゼロ

売却後に同じ毎月3万円を現金で貯め直した場合、2,000万円に届くのは通算49年後という計算になります。減額と停止は「到達が遅れる」選択ですが、売却は「到達できなくなる」選択です。

新NISAでは売却した分の非課税枠が翌年に復活しますが、それまでの運用期間は戻りません。

相場が悪い時期ほど、停止の影響は大きい

家計が苦しい時期は、景気や相場が悪い時期と重なりがちです。相場環境別に比べると、次のようになります。

相場環境 半額に減額 停止(再開なし)
良好(上位25%) 3か月 9か月
平均的 1年 約3年
不調(下位25%) 1年 3年4か月

相場が悪い時期は、同じ金額でより多くの口数を購入できる時期でもあります。停止するとその機会をすべて逃しますが、減額なら一部は残ります。減額の影響がどの相場環境でも1年以内に収まっているのはこのためです。

家計が苦しいときの優先順位

  1. まず金額を下げる(停止しない)
  2. 減額も難しければ期間を決めて停止する
  3. 保有分は売却しない
  4. 決めた時期が来たら金額を戻す

減額の方法を細かく工夫する必要はありません。投入総額がほぼ同じなら、「満額で15年続けて停止」(540万円)と「10年目から半額で継続」(578万円)の到達時期はどちらも約22年でした。出せる金額を出せる範囲で続けることが、最も効果的です。

よくある疑問

Q. 積立を始めてまだ数年です。影響は同じですか?

開始から日が浅いほど、停止の影響は大きくなります。5年目で停止して再開しなかった場合、30年以内に目標に届かなかったケースは36%でした。ただし半額に減らすだけなら、5年目でも届かなかったケースはゼロです。

Q. 遅れを取り戻すために、値上がりしそうな商品に替えるべきですか?

10か月程度の遅れを埋めるために値動きの大きい商品へ移ると、10か月では済まない損失を抱えるリスクが生じます。遅れは期間で吸収するほうが確実です。

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前提とデータ

  • Robert Shiller のS&P500データ(配当込み・名目・1871年〜2024年)を30年の期間に区切り、開始時期を1か月ずつずらした1,484パターンで計算。
  • 手数料・税金は含みません。対象は生活防衛資金を除いた余裕資金での積立です。
  • 過去の実績であり、将来の結果を約束するものではありません。
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