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老後・取り崩し

50代・60代から積立を始めても間に合うか:月5万円を15年なら、過去の中央値で1,570万円

50代・60代から新NISAで積立を始めた場合を、1871年からの米国株の値動きで検証しました。積立期間ごとの結果と元本を下回った割合、積み立てたお金から老後に毎月いくら取り崩せたかをまとめています。

公開  つみとり運営事務局

積立投資は「若いうちに始めるほど有利」と言われます。では、50代・60代から始めた場合は意味がないのか。月5万円の積立を5〜20年続けた場合と、そのお金を老後に取り崩した場合を、1871年からの米国株(S&P500)の値動きで計算しました。

積立期間ごとの結果

月5万円を積み立てた場合の、期間ごとの結果です。物価の上昇分を差し引いた実質値です。

積立期間 元本 中央値 悪いほうから10% いちばん悪かった時期 元本を下回った割合
5年 300万円 365万円 277万円 121万円 18.5%
10年 600万円 882万円 577万円 374万円 11.3%
15年 900万円 1,570万円 916万円 639万円 9.1%
20年 1,200万円 2,571万円 1,430万円 924万円 4.4%

中央値では、5年でも元本を上回っています。ただし期間が短いほど、悪い時期の結果が元本から大きく離れます。10年でいちばん悪かったのは1964年末や1999年春に始めたケースで、元本600万円が374万円になっています。

10年の積立でも、途中で3割減る時期はあった

10年の積立期間中に、入れた元本に対していちばん減っていたときの割合(最大含み損率)を見ると、中央値は−15%でした。−30%以下まで減ったケースは22%あり、最悪は−61%です。

20代・30代なら、減った時期のあとに長い回復期間があります。50代・60代では、積立が終わる頃に下落が重なると、回復を待たずに取り崩しが始まる可能性があります。このため、積立が終わった時点で全額を売るのではなく、取り崩しながら運用を続ける前提で考えるのが現実的です。

老後に毎月いくら取り崩せたか

積み立てたお金を、積立が終わったあとも運用しながら取り崩した場合に、95歳まで資産が尽きなかった最大の月額です。

月5万円の積立から、老後に毎月取り崩せた額

S&P500・配当込み・実質値。積立が終わってから取り崩しを始め、60歳開始は70〜95歳、ほかは65〜95歳まで資産が尽きない最大の額。預金は増えも減りもしない前提で65〜95歳に均等に使う。

プラン 積立 取り崩し 中央値 悪いほうから10% いちばん悪かった時期
50歳から15年 月5万円・900万円 65〜95歳 月9.3万円 月5.5万円 月4.8万円
55歳から10年 月5万円・600万円 65〜95歳 月5.0万円 月3.2万円 月2.7万円
60歳から5年 月5万円・300万円 65〜90歳 月2.3万円 月1.5万円 月1.2万円
60歳から10年 月5万円・600万円 70〜95歳 月5.5万円 月3.4万円 月2.8万円

50歳から15年積み立てた900万円を預金のまま30年で使うと、月2.5万円です。運用しながら取り崩した場合は、いちばん悪かった時期でもこれを上回っています。取り崩しの期間も運用が続くため、50歳から始めて95歳までなら、運用できる期間は合計45年になります。

60歳から始める場合は、取り崩しを70歳からにすると、5年遅らせた分だけ積立期間と運用期間が延び、毎月の額は2倍以上になります。

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50代・60代の積立で考えておくこと

項目 内容
生活費の確保 取り崩し開始から数年分の生活費は預金で持ち、相場が悪い年に株を売らずに済むようにする
新NISAの枠 年360万円・生涯1,800万円まで。月5万円なら年60万円で、つみたて投資枠(年120万円)に収まる
退職金 まとまった額を一度に入れるか分けるかは「まとまったお金は一括と分割どっち?」を参照
手数料 運用期間が限られるほど、手数料の負担が結果に残る。年0.1%台のインデックスファンドが基本

よくある疑問

Q. 60代で株式100%は危なくないですか?

この記事の計算は株式100%です。取り崩しに入ってからの最初の数年に大きな下落が来ると、結果が悪くなります。数年分の生活費を預金で持ち、株式の部分は残りのお金だけにすると、下落した株を売らずに済みます。取り崩し率の考え方は「4%ルールは過去150年で通用したか」にまとめています。

Q. 月5万円も積み立てられない場合は?

結果は積立額にほぼ比例します。月2.5万円なら、この記事の金額のおよそ半分です。金額より、取り崩しの期間も運用を続けることのほうが結果への影響が大きくなります。


前提とデータ

  • データ:Robert Shiller 教授が公開している S&P500 の株価・配当・消費者物価(1871年〜)。2024年10月以降は S&P500 連動ETFの配当込み価格と米国の消費者物価でつないだもの。2025年12月まで。
  • 配当はすべて再投資し、物価の上昇分を差し引いた実質値で計算。
  • 積立:毎月の初めに5万円を入れる。開始月を1871年1月から1か月ずつずらしたすべてのパターン(5年:1,799、10年:1,739、15年:1,679、20年:1,619)。
  • 取り崩し:積立が終わった月から、毎月の初めに一定の実質額を引き出し、残りを運用し続ける。表の額は、取り崩しの最後の月まで資産が尽きなかった最大の額。
  • 預金:物価と同じだけ増える(実質0%)前提。
  • 株式100%・ドル建て。為替・手数料・税金は含みません。過去の結果は将来を約束するものではありません。
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