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老後・取り崩し

老後の旅行資金はいくら必要か:65〜85歳の20年分なら425万円

老後資金を毎年いくらまで使ってよいかは、使い切る期間を決めると計算しやすくなります。生活費とは別に旅行用の資金を用意し、85歳までに使い切る前提で必要額を計算しました。

公開  つみとり運営事務局

老後に向けて資産を積み立ててきても、毎年いくらまで使ってよいかが決まっていないと、なかなかお金を使えません。ここでは生活費とは別に「旅行用の資金」を設け、65歳から85歳までの20年間で使い切る前提で、必要な金額を計算します。

前提:生活費とは別の、期間を決めた資金

  • 対象は65歳から85歳までの20年間。85歳で使い切ってよい資金とする
  • 生活費は別に確保済みで、この資金がなくなっても生活には影響しない
  • 生活防衛資金と、5年以内に使う予定の資金は含めない

85歳以降を対象外にしたのは、年齢とともに旅行の頻度が下がるためです。観光庁の調査では、1年間に宿泊旅行をした人の割合と平均回数は次のとおりです。

年代 宿泊旅行をした人 平均回数
60代 58% 2.8回
70代 43% 1.6回
80代以上 約25% 0.8回

旅行費用:夫婦で年24.2万円

旅行 頻度 夫婦2人・1回あたり 20年間の回数
近場の温泉(1泊) 毎年 10.5万円 20回
国内の遠出(飛行機利用) 3年に1回 24.4万円 6回
海外旅行 10年に1回 63.4万円 2回

20年間の合計は483万円、年平均で24.2万円です。旅行費用は、観光庁の調査による1人1回あたりの支出額(交通・宿泊・飲食などを含む)をもとにしています。

65歳時点で必要な金額

この資金をS&P500で運用しながら毎年24.2万円を取り崩すと仮定し、過去の相場で20年間続けられたケースの割合を計算しました。

年24.2万円の旅行を85歳まで続けられたケースの割合

S&P500・配当込み・実質値。65歳時点の資金から毎年同額を取り崩す。1,604パターン。

65歳時点の資金 85歳まで続けられたケース
300万円 68%
425万円 90%
500万円 98%

425万円あれば90%のケースで20年間の旅行が可能です。中央値のケースでは、85歳時点でも691万円が残っていました。

元本を残す前提との比較

考え方 65歳時点の必要額 85歳時点の残高(中央値)
85歳までに使い切る 425万円 691万円
元本を減らさない(4%ルール) 604万円 1,246万円

元本を残す前提では、同じ旅行に179万円(約3割)多く必要になります。取り崩す期間を決めることで、準備すべき金額は大きく下がります。

手元の資金から、毎年使える金額を出す

85歳までに使い切る場合、65歳時点の残高×5.7%が毎年使える金額の目安です。

65歳時点の残高 毎年使える金額
300万円 17.1万円
425万円 24.2万円
1,000万円 56.9万円

年24万円あれば、夫婦2人の温泉旅行(10.5万円)を年2回、または子ども夫婦を含めた4人の温泉旅行(21万円)を年1回実施できます。

相場が悪い時期の調整方法

残りの10%(1,604パターン中159パターン)は20年間持たず、中央値では17年目に資金が尽きました。いずれも取り崩し開始の直後に相場が大きく下落したケースです。

この場合も、運用資産を売却する必要はありません。旅行費用を抑えることで対応できます。

旅行費用の調整 年間の支出 20年間続けられたケース
調整なし 24.2万円 90%
2割削減 19.3万円 99%
3割削減 16.9万円 100%

3割の削減は、海外旅行を1回国内旅行に切り替える程度の変更です。

取り崩しシミュレーターで、残高の推移を確認する

よくある疑問

Q. 425万円をこれから準備するには?

毎月の積立で準備する場合、過去の相場の中央値で次の期間がかかりました。

毎月の積立額 準備期間 間に合う開始年齢
1万円 約17年 48歳
2万円 約11年 54歳
3万円 — 57歳

Q. 85歳を過ぎて旅行したくなったら?

この資金は85歳で使い切る前提ですが、中央値のケースでは85歳時点で残高が残っています。また、旅行の頻度は年齢とともに自然に下がるため、生活費の範囲で対応できる場合も多いと考えられます。


前提とデータ

  • Robert Shiller のS&P500データ(配当込み・1871年〜2024年)を20年の期間に区切り、開始時期を1か月ずつずらした1,604パターンで計算。金額はすべて物価上昇分を差し引いた実質値で、旅行費用も物価と同じだけ上がる前提。
  • 旅行費用:観光庁「旅行・観光消費動向調査」。海外旅行はJTBの見通し。
  • 各パターンの期間は重なっており、重ならない20年の期間は約7個です。
  • 手数料・税金は含みません。旅行プランと金額は一例です。
  • 過去の実績であり、将来の結果を約束するものではありません。
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